化粧品製造業界

Cosmetics industry

  • 加工前の粉体原料に含まれる異物除去
  • 製造工程中に混入する異物除去
  • 完成品の最終検査

化粧品製造業における異物対策について

化粧品産業では、日焼け止めやファンデーションなどの化粧品を製造するために、様々な粉体原料が使用されております。

原料粉体例
タルク・マイカ・シリカ・酸化亜鉛・酸化チタン・シリコン・ナイロン
カーボンブラック・べんがら・黒酸化鉄・炭酸カルシウム・マグネシウム・酸化アルミニウム 等々

化粧品は肌に直接触れる商品のため、異物混入による消費者のケガや肌荒れなど身体的・精神的なショックを与えるリスクがあります。
化粧品製造においてはマグネット磁選機、X線検査装置、各種フィルタ装置を導入し、粉体原料に混入した異物、粉体加工設備や配管通過時に混入するコンタミ除去を実施します。

磁選のプロセス※お客様の生産品目・製造方法により異なりますので以下は参考例です。

原材料の検査

化粧品製造においては多種多様な原材料を受入・保管されており上工程での品質チェックがその後の下工程全体へ影響が及ぶため、磁選機による異物除去が重要です。

バルク製造

正確に計量された原材料は混合・攪拌・乳化・分散・分級など各種工程を経て完成品となりますが、各製造設備や粉体搬送配管から生じる摩耗粉等が異物として混入するリスクがあり、工程毎に磁選機を設置することで品質向上に繋がります。

充填・包装・出荷前検査

完成したバルクは充填機などを用いて容器に注入し、包装~出荷となりますが定期的な抜き取り検査を実施し、最終的な異物混入チェックが実施されます。

磁選機の種類別用途/特徴

1.プレート型マグネット

【用途/特徴】

  • ステンレスのケース内に磁石を収納しており、 シュート、 ホッパー、 コンベアの落下部等に設置し、粉体原料に含まれる鉄粉や磁性物を吸着させる機構。
  • 電源不要のため設置が容易かつコンパクトなデザインが多い。
  • 完全に密閉された構造のため液中でも使用可能。
  • プレートマグネットに吸着した磁性体を外部に排出する機構が無いため、作業者による除去清掃が必要。

2.マグネットバー(棒磁石)

【用途/特徴】

  • 棒状のステンレスパイプ内に磁石を収納。原料の落とし口や配管経路に設置し、磁性体を回収。
  • マグネットバーを複数組合せることで下記商品としてもラインナップ。
    《グリッドマグネット》
    マグネットバーを格子状に組合せたユニットタイプ。形状は角型や丸形をベースとしてホッパー部や配管内に設置する。ホッパーに設置する場合は「ホッパーマグネット」と呼称される
    《リキッドトラップマグネット》
    配管接手部分に対応した形状(Y型、L型等)の筐体内部にマグネットバーを内装し、通過流体に含まれる磁性体を回収する。取付パイプ径に対応したサイズラインナップがあり、高圧・高粘度にも対応する。
  • 細いバーの形状で、管状の配管やタンク内に設置しやすく、原料の流れに合わせた柔軟な設置が可能。
  • 稼働において電力が不要。
  • 吸着した磁性体を外部に排出する機構が無いため、作業者による除去清掃が必要。
  • 吸着磁力有効面積が狭いため、マグネットバーに磁性体が一定量付着すると、それ以上吸着しない「飽和現象」が発生しやすい。
  • マグネットバーの上に非磁性体の粉体が堆積すると磁性体の吸着を阻害するため、難磁性体や微細サイズの異物回収が困難な場合がある。

3.電磁石式磁選機

【用途/特徴】

  • 永久磁石式よりも高い磁力を発生させることが可能。
  • 磁選機内部に高磁束密度領域を作り、磁化されたスクリーンに原料粉体を通過させることで微細鉄粉を吸着除去する機構。
  • バイブレータ等を用いてスクリーンを収納した筐体を振動させることで流動性の悪い原料でも使用可能。
  • 粗大な原料やボルト、ナットなど大きな固体の磁選には適さない。
  • 磁場を発生させるために電力消費量が大きく、発熱を抑制する冷却設備も必要なことから広い設置スペースも必要。

4.ドラムマグネット/マグネットプーリ

【用途/特徴】

  • 大量の粉体や原材料を高速で処理する場合に適する。
  • 原料内に混入したナット、ボルト、釘など粗大な異物の分別に適する。
  • 円筒状のドラム(プーリ)内に永久磁石を収納し、ドラムが常時回転する機構。
    《ドラムマグネット》
    磁選機の筐体内部にドラムを内蔵し、上方から磁選機へ投入した粉体はドラムに吸着搬送された磁性体と非吸着の非磁性体が分岐された磁選機の下方出口から排出される。
    《マグネットプーリ》
    コンベアベルトの先端部にマグネットプーリを設置することでコンベアで搬送された原料がプーリ通過時に、磁力に反応しない非磁性体はプーリ真下へ落下し、磁性体はプーリに吸着されたままコンベア裏側へ回り、ベルトとプーリが離れた時点(磁力が届かない地点)で落下する。
  • 連続的な処理が可能で、生産ラインの流れを阻害しない。
  • フェライト磁石、希土類磁石のラインナップが存在し、一般的な表面磁束は約1,000~6,000ガウス。
  • 設置スペースが大きく、マグネットバーのように多段数の組合せが困難。
  • 粗磁選には有効だが、ミクロン単位の微細なコンタミ回収は困難。

5.MAGPICKER 乾式タイプ

【用途/特徴】

  • マグネットドラム表面ピーク磁束は8,000ガウスで、ドラム表面広範囲に高磁場を発生させており、吸着有効面積を広く確保した設計。
  • 常時低速回転するドラムに吸着した磁性体は異物回収ボックスへ自動的に搬送・排出される機構の為、連続的な磁選処理が可能。
  • マグネットに付着した磁性体を除去する手作業が不要の為、作業者の負荷低減かつ安全性の向上。
  • 磁選機本体はコンパクトなサイズ設計のため、設置スペースに応じてドラム本数を増加した多段式設置が可能。
  • ドラム1本あたり25Wモータ1個で駆動する省エネ設計。
  • ボルト、ナット、釘などの粗大な異物除去には適さないが微細な金属片や装置・配管の摩耗粉などの回収に適する。

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