電子部品製造業界

Electronic component manufacturing industry

  • 加工前の粉体原料に含まれる異物除去
  • 製造工程中に混入する異物除去

電子部品製造業における異物対策について

電子部品、電気機器の製造におきまして異物混入が原因により、製造時の歩留り悪化、性能品質、安全性に悪影響を及ぼすため、異物除去プロセスが重要視されております。

金属異物による悪影響例
・ 基盤の電子回路の導通不良・ショートの発生。
・ 他の電子部品とのアセンブル時の接触不良。
・ 電気的・機械的性能の劣化。
・ 二次電池など内部短絡による発熱・発火。

金属異物は製造設備の摩耗や劣化など予期せぬトラブルが起因し発生・混入することもあるため、
完全にゼロにすることは困難ですが、予防のみでなく発生した異物への対策が重要です。

・ マグネットを応用した磁選機、集塵機、各種フィルタ装置よる「異物除去装置」の導入。
・ 金属検出機やX線検査装置による「異物の発生を発見できる装置」の導入。
・ 静電気の除去により異物の付着防止。

などによる予防・対策が効果を発揮します。

磁選のプロセス※お客様の生産品目・製造方法により異なりますので以下は参考例です。

原材料の検査

電子部品・電子機器の製造においては多種多様な原材料を受入・保管されており上工程での品質チェックがその後の下工程全体へ影響が及ぶため、磁選機による異物除去が重要です。

製造工程

粉体原料を扱う工程においては混合・攪拌・分級・破砕などがあり、これらの工程で使用する加工設備や搬送配管から生じる摩耗粉が異物として混入するリスクがあり、工程毎に磁選機を設置することで品質向上に繋がります。
ペースト状態で扱う湿式プロセスにおいても、スラリーの混合工程でミキサー等が使用される為、摩耗粉の除去として磁選機による処理が有効です。
積層・焼結後の切断工程では、切断機の刃物部の微細な破片や摩耗粉が混入する恐れがあり、磁選機による処理が品質向上に貢献します。

磁選機の種類別用途/特徴

1.プレート型マグネット

【用途/特徴】

  • ステンレスのケース内に磁石を収納しており、 シュート、 ホッパー、 コンベアの落下部等に設置し、粉体原料に含まれる鉄粉や磁性物を吸着させる機構。
  • 電源不要のため設置が容易かつコンパクトなデザインが多い。
  • 完全に密閉された構造のため液中でも使用可能。
  • プレートマグネットに吸着した磁性体を外部に排出する機構が無いため、作業者による除去清掃が必要。

2.マグネットバー(棒磁石)

【用途/特徴】

  • 棒状のステンレスパイプ内に磁石を収納。原料の落とし口や配管経路に設置し、磁性体を回収。
  • マグネットバーを複数組合せることで下記商品としてもラインナップ。
    《グリッドマグネット》
    マグネットバーを格子状に組合せたユニットタイプ。形状は角型や丸形をベースとしてホッパー部や配管内に設置する。ホッパーに設置する場合は「ホッパーマグネット」と呼称される
    《リキッドトラップマグネット》
    配管接手部分に対応した形状(Y型、L型等)の筐体内部にマグネットバーを内装し、通過流体に含まれる磁性体を回収する。取付パイプ径に対応したサイズラインナップがあり、高圧・高粘度にも対応する。
  • 細いバーの形状で、管状の配管やタンク内に設置しやすく、原料の流れに合わせた柔軟な設置が可能。
  • 稼働において電力が不要。
  • 吸着した磁性体を外部に排出する機構が無いため、作業者による除去清掃が必要。
  • マグネットバーの上に非磁性体の粉体が堆積すると磁性体の吸着を阻害するため、難磁性体や微細サイズの異物回収が困難な場合がある。

3.電磁石式磁選機

【用途/特徴】

  • 永久磁石式よりも高い磁力を発生させることが可能。
  • 磁選機内部に高磁束密度領域を作り、磁化されたスクリーンに原料粉体を通過させることで微細鉄粉を吸着除去する機構。
  • バイブレータ等を用いてスクリーンを収納した筐体を振動させることで流動性の悪い原料でも使用可能。
  • 粗大な原料やボルト、ナットなど大きな固体の磁選には適さない。
  • 磁場を発生させるために電力消費量が大きく、発熱を抑制する冷却設備も必要なことから広い設置スペースも必要。

4.ドラムマグネット/マグネットプーリ

【用途/特徴】

  • 大量の粉体や原材料を高速で処理する場合に適する。
  • 原料内に混入したナット、ボルト、釘など粗大な異物の分別に適する。
  • 円筒状のドラム(プーリ)内に永久磁石を収納し、ドラムが常時回転する機構。
    《ドラムマグネット》
    磁選機の筐体内部にドラムを内蔵し、上方から磁選機へ投入した粉体はドラムに吸着搬送された磁性体と非吸着の非磁性体が分岐された磁選機の下方出口から排出される。
    《マグネットプーリ》
    コンベアベルトの先端部にマグネットプーリを設置することでコンベアで搬送された原料がプーリ通過時に、磁力に反応しない非磁性体はプーリ真下へ落下し、磁性体はプーリに吸着されたままコンベア裏側へ回り、ベルトとプーリが離れた時点(磁力が届かない地点)で落下する。
  • 連続的な処理が可能で、生産ラインの流れを阻害しない。
  • フェライト磁石、希土類磁石のラインナップが存在し、一般的な表面磁束は約1,000~6,000ガウス。
  • 設置スペースが大きく、マグネットバーのように多段数の組合せが困難。
  • 粗磁選には有効だが、ミクロン単位の微細なコンタミ回収は困難。

5.MAGPICKER 乾式タイプ

【用途/特徴】

  • マグネットドラム表面ピーク磁束は8,000ガウスで、ドラム表面広範囲に高磁場を発生させており、吸着有効面積を広く確保した設計。
  • 常時低速回転するドラムに吸着した磁性体は異物回収ボックスへ自動的に搬送・排出される機構の為、連続的な磁選処理が可能。
  • マグネットに付着した磁性体を除去する手作業が不要の為、作業者の負荷低減かつ安全性の向上。
  • 磁選機本体はコンパクトなサイズ設計のため、設置スペースに応じてドラム本数を増加した多段式設置が可能。
  • ドラム1本あたり25Wモータ1個で駆動する省エネ設計。
  • ボルト、ナット、釘などの粗大な異物除去には適さないが微細な金属片や装置・配管の摩耗粉などの回収に適する。

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