食品製造業界

Food manufacturing industry

  • 加工前の粉体原料に含まれる異物除去
  • 製造工程中に混入する異物除去
  • 完成品の最終検査

食品製造業における異物対策について

人が口にする食品・飲料には「安全・安心」が要求されます。異物が混入した商品を口にしたことで健康被害や心理的なダメージを受けてしまい、商品および事業者の信頼失墜、製品回収などの経済的損失などが生じるリスクがございます。

異物の種類例
・昆虫や小動物、寄生虫などの動物由来のもの。
・衣類の糸くず、ゴム片、ビニール片など軟質なもの。
・細菌、カビ、ウイルス、微生物、紙類などの植物性由来なもの。
・頭髪、体毛、爪など人に由来するもの。
・金属片、樹脂片、ガラス片、砂、石などの鉱物性由来なもの。

これらの異物混入対策例として、

・異物を持ち込まない・不良品を流出させない工程や異物除去・検知設備の導入、
・施設内の点検・清掃・メンテナンスの強化、
・衛生管理ルールの明確化、周知徹底 等々、
により「安全・安心」な商品の提供が維持されております。

磁選のプロセス※お客様の生産品目・製造方法により異なりますので以下は参考例です。

原材料の検査

食品・飲料製造においては多種多様な原材料を受入・保管されており上工程での品質チェックがその後の下工程全体へ影響が及ぶため、磁選機による異物除去が重要です。

製造工程

粉体原料を扱う工程においては混合・攪拌・分級・破砕などがあり、これらの工程で使用する加工設備や搬送配管から生じる摩耗粉が異物として混入するリスクがあり、工程毎に磁選機を設置することで品質向上に繋がります。
ペースト状態で扱う湿式プロセスにおいても、スラリーの混合工程でミキサー等が使用される為、摩耗粉の除去として磁選機による処理が有効です。

充填・包装・出荷前検査

完成した食品・飲料は充填機などを用いて指定の容器類に包装梱包されますが最終的な異物除去として磁選機による処理や金属検知器、画像検査装置の検査も有効です。

磁選機の種類別用途/特徴

1.プレート型マグネット

【用途/特徴】

  • ステンレスのケース内に磁石を収納しており、 シュート、 ホッパー、 コンベアの落下部等に設置し、粉体原料に含まれる鉄粉や磁性物を吸着させる機構。
  • 電源不要のため設置が容易かつコンパクトなデザインが多い。
  • 完全に密閉された構造のため液中でも使用可能。
  • プレートマグネットに吸着した磁性体を外部に排出する機構が無いため、作業者による除去清掃が必要。

2.マグネットバー(棒磁石)

【用途/特徴】

  • 棒状のステンレスパイプ内に磁石を収納。原料の落とし口や配管経路に設置し、磁性体を回収。
  • マグネットバーを複数組合せることで下記商品としてもラインナップ。
    《グリッドマグネット》
    マグネットバーを格子状に組合せたユニットタイプ。形状は角型や丸形をベースとしてホッパー部や配管内に設置する。ホッパーに設置する場合は「ホッパーマグネット」と呼称される
    《リキッドトラップマグネット》
    配管接手部分に対応した形状(Y型、L型等)の筐体内部にマグネットバーを内装し、通過流体に含まれる磁性体を回収する。取付パイプ径に対応したサイズラインナップがあり、高圧・高粘度にも対応する。
  • 細いバーの形状で、管状の配管やタンク内に設置しやすく、原料の流れに合わせた柔軟な設置が可能。
  • 稼働において電力が不要。
  • 吸着した磁性体を外部に排出する機構が無いため、作業者による除去清掃が必要。
  • 吸着磁力有効面積が狭いため、マグネットバーに磁性体が一定量付着すると、それ以上吸着しない「飽和現象」が発生しやすい。
  • マグネットバーの上に非磁性体の粉体が堆積すると磁性体の吸着を阻害するため、難磁性体や微細サイズの異物回収が困難な場合がある。

3.電磁石式磁選機

【用途/特徴】

  • 永久磁石式よりも高い磁力を発生させることが可能。
  • 磁選機内部に高磁束密度領域を作り、磁化されたスクリーンに原料粉体を通過させることで微細鉄粉を吸着除去する機構。
  • バイブレータ等を用いてスクリーンを収納した筐体を振動させることで流動性の悪い原料でも使用可能。
  • 粗大な原料やボルト、ナットなど大きな固体の磁選には適さない。
  • 磁場を発生させるために電力消費量が大きく、発熱を抑制する冷却設備も必要なことから広い設置スペースも必要。

4.ドラムマグネット/マグネットプーリ

【用途/特徴】

  • 大量の粉体や原材料を高速で処理する場合に適する。
  • 原料内に混入したナット、ボルト、釘など粗大な異物の分別に適する。
  • 円筒状のドラム(プーリ)内に永久磁石を収納し、ドラムが常時回転する機構。
    《ドラムマグネット》
    磁選機の筐体内部にドラムを内蔵し、上方から磁選機へ投入した粉体はドラムに吸着搬送された磁性体と非吸着の非磁性体が分岐された磁選機の下方出口から排出される。
    《マグネットプーリ》
    コンベアベルトの先端部にマグネットプーリを設置することでコンベアで搬送された原料がプーリ通過時に、磁力に反応しない非磁性体はプーリ真下へ落下し、磁性体はプーリに吸着されたままコンベア裏側へ回り、ベルトとプーリが離れた時点(磁力が届かない地点)で落下する。
  • 連続的な処理が可能で、生産ラインの流れを阻害しない。
  • フェライト磁石、希土類磁石のラインナップが存在し、一般的な表面磁束は約1,000~6,000ガウス。
  • 設置スペースが大きく、マグネットバーのように多段数の組合せが困難。
  • 粗磁選には有効だが、ミクロン単位の微細なコンタミ回収は困難。

5.MAGPICKER 乾式タイプ

【用途/特徴】

  • マグネットドラム表面ピーク磁束は8,000ガウスで、ドラム表面広範囲に高磁場を発生させており、吸着有効面積を広く確保した設計。
  • 常時低速回転するドラムに吸着した磁性体は異物回収ボックスへ自動的に搬送・排出される機構の為、連続的な磁選処理が可能。
  • マグネットに付着した磁性体を除去する手作業が不要の為、作業者の負荷低減かつ安全性の向上。
  • 磁選機本体はコンパクトなサイズ設計のため、設置スペースに応じてドラム本数を増加した多段式設置が可能。
  • ドラム1本あたり25Wモータ1個で駆動する省エネ設計。
  • ボルト、ナット、釘などの粗大な異物除去には適さないが微細な金属片や装置・配管の摩耗粉などの回収に適する。

お問い合わせ

CONTACT

お見積もり依頼など、どんなことでも
ご相談ください。
一貫してサポートいたします。